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国葬の費用いくら?37億の噂や過去の事例から検証

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安倍晋三元首相の国葬が2022年の9月27日(火)に執り行われることが決まりましたね。

しかし、国葬の費用をめぐって国費(税金)がいくら使われるのかが話題となっており、国葬に反対する意見も多くなっています。

そこで今回は、安倍晋三元首相の国葬がいくらになるのか、37億円の噂や過去の事例についても詳しく解説していきます。

目次

国葬の費用はいくらになる?

安倍晋三元総理の国葬の費用は少なくとも2億円を超える、ということがわかっています。

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2020年10月に執り行われた中曽根康弘元首相の葬儀が一番直近で、今回の国葬に近い形の葬儀として比較対象とした場合、予算は総額約1億9200万円で組まれており、うち9600万円は国費で残りは自民党が出す形になりました。

「’20年10月に行われた中曽根康弘元首相の葬儀は、国と自民党が費用を折半する“内閣・自民党合同葬”。この予算は総額約1億9200万円で、そのうち会場代が約5500万円、会場内の音響、映像、設営費用が約1億3600万円といわれています」(全国紙記者)

 

引用:Yahoo!ニュース 8/8(月)16:00配信

中曾根元総理の葬儀が行われた2020年の10月はコロナウイルスが猛威を振るっていた頃。参列者も1400人と限定され、かなり小規模で行われています。

しかし安倍元首相の国葬は、中曾根元総理の葬儀の約4倍である6000人の参列者が日本武道館に集まる見通しとなっています。

中曽根康弘元首相の葬儀と比較して会場設営費やお花代が何倍もかかるため、2億円を軽く超えることは間違いないでしょう。

37億円の噂は本当?

2022年8月23日・8月30日合併号で「女性自身」が、安倍元総理の葬儀に37億円の費用がかかるという説を報じています。

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国費というのは税金です。国民一人ひとりが苦労して稼いだお金が37億円も消える、ということになると、反対する意見が多くなるのも当たり前ですよね…。

そこで37億円の噂を紐解いてみたところ、鍵となったのはお花代要人警護の費用でした。

お花代」に関しては、過去に大規模な国葬を行った吉田元首相の葬儀の前例が挙げられます。

1962年に行われた吉田元首相の国葬では、遺影の額縁と祭壇に菊の花5万本が飾られ、3万5000人の一般参列者の方々が菊の花を持って訪れたために、菊の花の“買い占め”による値段の高騰が起こったそうです。

現代のお金の価値で換算すると、献花用の白菊を3万5千本用意するだけでも700万円になります。吉田元首相の国葬にならって5万本の菊の花を用意するとなると、献花台の準備だけで2000万円以上もの税金が使われることになります。

そして2つ目のキーポイントである「要人警護の費用」ですが、現在安倍元総理を偲んで各国の要人が日本に国葬参加の意を表明しています。

海外の要人が弔問に訪れる際の旅費や滞在費は訪れる側が負担するのが通例だそうですが、問題は警備の面です。

安倍元総理が銃撃で亡くなっているという背景もありますし、今まで以上に厳重な警備を行って二度と同じことが起こらないような体制を作らなければ、日本は世界中から「危険な国」と思われてしまうことは間違いありません。

昭和天皇の大喪の礼では警察官3万2千人が動員され、当時の警備費用は24億円だった。また、今上天皇の即位礼正殿の儀では警察官約2万6千人が導入され、警備関係費用としては28億5000万円がかかっている。

 

引用:「女性自身」2022年8月23日・8月30日合併号

安倍元総理と親交があった各国の要人の人数を考えても、昭和天皇・今上天皇と同じレベル、あるいはそれ以上の警備体制を敷かなければいけないでしょう。

以上のことから、37億円の国費・税金がかかるという噂の真相です。

国葬の費用がいくらになるのか過去の事例から検証

それでは国葬の費用は一体いくらになるのでしょうか?

過去の政治家の国葬・大規模葬儀の事例から検証してみましょう。

1900年代

年代被葬者葬儀の種類費用総額そのうちの国費
1962年吉田茂国葬1810万円1810万円
1975年佐藤栄作内閣・自民党・国民有志の合同葬約4000万円2004万円
1980年大平正芳内閣・自民党合同葬約7000万円3644万円
1987年岸信介内閣・自民党合同葬約9000万円4510万円
1988年三木武夫内閣・衆議院合同葬約2億3700万円1億1873万円
1995年福田赳夫内閣・自民党合同葬1億4700万円7334万円

国葬を行ったのは唯一、吉田茂元首相のみ。そして全額国費でまかなわれたのも吉田茂元首相ただ一人です。

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1962年当時は今とお金の価値が全く異なり、1円は2022年現代でいう600円前後の価値があったとされています。

吉田茂元首相の葬儀も当時の国民の感覚で考えると、億単位の高額な国葬であったことは間違いありません。

また1988年に行われた三木武夫元首相の葬儀も2億円を超える高額な葬儀となっていますが、内閣・衆議院合同葬だったため全額国費というわけではありませんでした。

しかし国葬ではなかったものの、1億1873万円という多くの国費が使われています。

2000年代

 

年代被葬者葬儀の種類費用総額そのうちの国費
2000年小渕恵三内閣・自民党合同葬1億5100万円7555万円
2004年鈴木善幸内閣・自民党合同葬1億900万円5549万円
2006年橋本龍太郎内閣・自民党合同葬1億5400万円7702万円
2007年宮沢喜一内閣・自民党合同葬1億5400万円7696万円
2020年中曾根康弘内閣・衆議院合同葬1億9300万円9600万円

2000年代となると日本円の価値も今とかなり近いので現代の感覚とほぼ同一と考えて良いでしょう。となるとやはり一番注目すべきは中曾根元首相の1億9300万円のお金がかかった葬儀です。

そのうち国費は9600万円使用されており、葬儀費用の半分が国費(税金)からまかなわれていることがわかります。

1900年代・2000年代の政治家の葬儀の例を踏まえてわかることは

  • 名目が「国葬」となると全額国費で行われる
  • 内閣総理大臣を務めた時代の功績によって葬儀の規模(費用)が変わる

ということです。

SNSの反応

SNSで国葬に関する声をまとめたところ、やはり様々な声が挙がっていました。

2022年8月17日には、新宿で大規模な国葬反対デモが起こっています。

一方で安倍元総理を支持する声や海外からの評価を考えて国葬を行うべきと考える方もいるようで、賛否は真っ二つに分かれています。

まとめ

今回は、安倍晋三元首相の国葬がいくらになるのか、37億円の噂や過去の事例について解説しました。

安倍元首相の国葬について国民全員が納得する形で決着をつけるのはとても難しいことだと思います。

それでも、国葬を行う意義を岸田総理が国民を納得させられる形で細かく丁寧に説明することで人々の声は少しずつ変わっていくのではないでしょうか?

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今後も政府の動向に注目していきたいと思います。

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